南九州視察ツアーブログ!最終章は帰路に向かいつつの「旅の終着点は鹿児島の個人邸リノベーション」です。
VOL.1の「飫肥の町リノベーション」を見られていない方はコチラ
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VOL.3の「ユクサおおすみ海の学校」を見られていない方はコチラ
大畑視点でのリノベーションレポート!最後まで是非お付き合いくださいませー☆
前夜の濃ゆいお酒&リノベ談義を経て、一同まったりした二日目を迎えます。
そして、こんな素敵なエリアまで来て、リノベーションだけを学ぶだけとか勿体ないではないですか!
その町の観光資源を知ってこそ、そのエリアのリノベーションの本質が理解できます。
そんなこんなで、二日目は観光も挟みながら緩やかに終着点に向かいます♪
《鹿児島の観光と言えばやはり桜島》
二日目は帰路にもなりますので、鹿児島中央駅を目指しつつの観光とリノベーションのインプット☆
大隅半島のユクサを出発して、一行は鹿児島のシンボル「桜島」に向かいます。
桜島は、北岳・南岳の2つが合わさる複合活火山で、今も噴煙を上げ灰を降らせている世界的に珍しい火山です。 高さ1,117メートル、周囲約52キロ、面積約80キロ平方メートルで、大正3年の噴火では大隅半島と地続きになったそうです。
展望台まで行き皆で大きな桜島を見上げます。
デカイですねー!頂きに雲がかかっており頂上部分は拝めずでしたが、この距離感ではすごい迫力。
僕らの普段知っている山というものは、頂きまで木々に覆われておりますが、桜島はそうではありません。
頂き付近に向けて植物は無くなっていき、荒寥とした原野のよう。
と言いますか、本来の山の成り立ちを感じれるし、生きた山ってことだなーと知ることができました。
地球のライブ感がここにある。火山で地球の鼓動を感じることができますね。
完全なる観光写真をパシャリ!^^
活火山のエネルギーで充電完了☆
そして、鹿児島と言えば西郷どん!
桜島を我が庭のように案内頂いたのはリノベーション業界の西郷隆盛こと、株式会社大城の大城さん。
目元、体つき、風格が西郷どんそっくりです!!
以前、西郷1グランプリで優勝とはならずとも最終決戦まで行かれた大城さん。
鹿児島の海が似合います^^
幕末の日本の英雄、薩摩藩の下級武士の出身ながら明治維新を成し遂げた立役者であり仁義の人、西郷隆盛。
薩摩藩は鹿児島県本土と宮崎県の南西部だったらしいので、今回の旅は薩摩藩の影響化の場所を回らせてもらっているツアーでもありますね(・∀・)
そして、その当時と変わらずで毎年年末にやってくるリノベーション業界の日本一を決めるイベントでは江戸にこられて、沢山の受賞を獲得されていきます。日本の群雄割拠は今も続きますねー☆
《エリアリノベーションという新しい流れ/小浜ヴィレッジ》
その後も「霧島神宮駅舎」などの観光を挟みつつ一行は北上、本日のランチタイムも過ごす霧島市隼人町の小浜ヴィレッジへ向かいます。
リノベーションは建物の「再生」を目指すことに同意語で使われることが殆どですが、そもそもはもっと大きな社会課題や価値の見直しなどにこそリノベーションという言葉の意味が秘められると思います。
霧島市隼人町に「未来の村」としてこのほど造られた小浜ヴィレッジは、この地域の再定義や活性化に向けて実施された「エリアリノベーション」でして、建物は完全に新築ばかり。
でも、こここそがリノベーションという意味を体現しているプロジェクトなんだとお話を聞いて感じます。
小浜ヴィレッジの成り立ちを運営会社の有村さんよりお話頂きます。
元々、林業をされていた有村さんの家系はその木で家を作るようになり、不動産にも幅を拡げ、現在ではまちづくりの再生に主眼を置いた会社に進化を遂げられています。
このエリアは人口減少で家を建てる件数は減っていく一方。
経済が弱まり、雇用も減っていき、町も衰退していく中で何かできるのことは無いのか?
そんな中で出た答えが”居食住を自分たちで作っていく”昔ながらの村作り。
そんな壮大なプロジェクトでした。
有村さんのスライドではこの村の機能、共存、協創、循環などが何手も先まで考えられており、現代の地球環境や課題解決を前提にしつつ「一つにマルっと収まる」、まさに未来の村のビジョンが描かれています。
詳しくは是非小浜ヴィレッジのホームページをご覧ください→コチラ
《小浜ヴィレッジの課題解決は地方の未来縮図でもある》
商業施設が程よい距離感で点在する小浜ヴィレッジ。
地元は勿論のこと別地域の企業テナントやお店が入っておられ、このエリアに新しい雇用が生まれ地域活性化に繋がっています。人が集まる、人が住める、そして循環して継続性や再現性があるというインフラを作っていくことこそ、エリアリノベーションの課題解決方法で、日本の地方の課題解決方法なのかなと感じました。
ちなみに私の住んでいる大阪北摂の「千里ニュータウン」は過疎化が著しい日本のニュータウンにあって、全国的に見ても人口が増え成功しているニュータウンです。その成功要因はもともと作った耐久性のあるインフラ整備とそれを少しバージョンアップしながら保持する管理の両輪がうまくいっていることが要因なんだと感じています。
駅や都心部との時間的距離感も適切だと感じるのですが、大きな歩道、渋滞しにくい道路環境、各区分に小学校や公園、スーパーなどの配置など最初にインフラとして計画したものがとても耐久性があり、50年経った今もちゃんと機能しています。
50年前は田んぼだけの場所だったからこそ作れたニュータウンな訳ですが、計画がよければ、そこで育った次世代が帰ってきて家族を持ち、新しくも故郷と言える文化を放っていきます。
小浜ヴィレッジも未来の村としてスタートして、ここで育った人達の未来の故郷になっていくのか?
これからが楽しみですね☆
海の見えるこの環境でオシャレなカフェでコーヒーを楽しめる。
田舎でしか味わえないものと都会感覚のものとが融合することで新しい価値が産みだされています。
《心温まる鹿児島最後の視察/池泉》
最後に訪問させて頂いたのは宿泊施設やエリアのリノベーションなどの大きな事例の後にギュギュギュ~っと狭まっての、「カフェを併設した個人邸」。この視察ツアーにあって、「施主様」がいらっしゃるリノベーションの内見は実は初でして、なんとなく油断しながらの訪問。
駐車スペースからアプローチが続く。住居の玄関は手前にあり、カフェの入り口は奥へ。
そして、この最後の視察は今回のツアーの主役でもあるPAAK DESIGNの鬼束さんによるもので、築70年を超える木造住宅を減築やリノベーションを通して生き返らせた事例となっています。工事の内容はコチラ
そして、すっかり油断しながら建物を廻り、カフェの入り口に廻ってみんなでびっくり。
「おおー!!」
なんと美々しい店構えでしょう!
古き良きを全面に出していく際に「良さを出す」という意味で、大正ロマンに振りがちなこれらの古い和風建築物。もしくは、商業施設であればとても近代的なファサードを装備してそのギャップを楽しむ感じ。
どちらも現代的にアレンジというより、少しキワモノとして築年数の古さを強調するような所を感じるものです。
しかし、この「池泉」のファサードはとても古い建物とは解るんですが古さを感じさせない、でも新しいものでは出せない風格を放っております。おじいちゃんと解るんですが過去の人になっておらず、現代の建物と同じ時間を過ごしているような自然の経年を感じます。
元々和洋折衷がベースの建物であったかとは思いますが、和を控えめにしつつ、でもとても敬意を払っているような意匠の再編がいいですね~(*’ω’*)
中に入らせて頂き、鬼束さんのお話をお聞きします。
そしてオーナー様ご夫婦のお話も聞かせて頂きとても納得!
なんとご主人がオーストラリアの方で、日本人の奥様と一緒に自宅兼カフェを営むためにリノベーションされたということ。この建物の感性はそのエッセンスが入っていたのですねーーー。
カフェスペースと住居スペースを繋ぐ廊下。本物を集めると経年は優化となりますね。
カフェスペースからのこの景色がたまらんです。
中庭?ピロティ?アウトドアリビング?いや、カフェテラス?
私の乏しいボキャブラリーでは形容できないのですが(ただ名称を知らないだけ)、重厚なる建材に囲まれた、でも扉も何もついていないこのオープンな空間がたまらなく豊かな空間に感じます。
今回の視察ツアーはどこもかしこも素晴らしく勉強になったのですが、この池泉さんは「ここだけにコーヒーを頂きにわざわざ関西から来ても満足できる場所」であったように感じます。
きっとそれは個人邸リノベーションならではの想いの深さ、施主とプロ設計士との協業でできあがっていくプロセスがあるからこそ出来上がる魅力溢れる空間。センスの良い施主に出会えることは設計士にとって最大の喜び。設計士だけでは無しえない想いをカタチにしていったリノベーションがここにはありますね。
近年のリノベーションに関連する賞レースでは、社会性やら再販物件の事業スキームなどがフューチャーされがちなのですが、やっぱり施主と設計士で作る個人邸のリノベーションの魅力こそリノベーション業界の発展の礎ではないかと改めて感じます。
最後にトドメの大満足!皆で鬼束ワールドに感服です。。
これにて南九州視察ツアーは終了!
南九州の皆さん、本当にありがとうございました☆
さあ、学んだことを活かすべく、関西で戸建てのリノベーションを頑張ろう!
大畑
お庭ではためくオーストラリアの国旗が素敵です☆
喫茶 池泉
ブログ作成/シンプルハウス大畑充弘
・デイインザライフ代表
・ニューデイズ工場長
「シリーズ完結!南九州視察ブログを読んで頂きありがとうございました!」