皆さんこんにちわ(orこんばんわ)。SNSで動画や写真優先の投稿も刹那的で楽しいものですが、やっぱり大切な何かを伝える手段ってブログがいいよねー!と久しぶりにペンを握りしめる大畑です。

 

南九州訪問で味わったリノベーションに関わる感動を皆さんと共有できればこれ幸い。

 

私達シンプルハウスは、日本で一番リノベーションのことを考えている団体「リノベーション協議会」に所属しておりまして、折を見てエリアを横断した研修を企画しております。

業界発展に寄与するべく様々なエリアとの機会を創っておりますが、我々関西部会は九州部会との親和性が高く、2019年には北九州のリノベーション事例の視察訪問(その際のブログ)に始まり、その後も九州部会の方々を関西に招いての事例訪問ツアーを組んだりと、お互いを高め合うような研修を続けて参りました。

 

そして、今回企画立案となりましたのが「南九州視察ツアー!!」

宮﨑の日南(にちなん)から始まり、鹿児島の鹿屋(かのや)に横断していくツアー内容になっております。

 

関西部会メンバーはツアー前日晩より前乗りで神戸港から出航するフェリーに乗り込み宮﨑に向かいます。

 

 

やっぱりフェリーの醍醐味は甲板で飲むビールではないでしょうか!(*’▽’)

一同学生に戻ったようなワクワクドキドキの夜を過ごします♪

 

 

午前8時半には宮﨑港に到着☆

左より弊社の池田、その右に神戸の団地リノベの雄フロッグハウス清水さん、中央に大阪のレジェンド会社アート&クラフト岡本さん、その右に弊社の立花、そして手を高々と上げているのが関西部会のジャイアン!いやいや、、京都の木の匠イタヤ工房石巻さん、そして一番右が私大畑(※撮影してくれているのが弊社の増田)今回も関西より建物好きの変態メンバーが集結しました~☆

なんせ、晴れ渡る空、赤い船体、南国感溢れるヤシの木、最高のロケーションです!(・∀・)

 

港まで迎えにきて頂いたのは鹿児島の鹿屋市で設計会社や宿の経営者など様々な顔を持つ川畠さんとスタッフの皆さん。もう皆さん人当たりの良いナイスガイばかり!今から始まる楽しい旅にワイガヤの車内です♪

 

【いざ飫肥へ】

とても難しい漢字の飫肥(おび)は宮崎県の南部、日南市中央部にある地区で江戸時代にこの地域を治めた伊東氏の城下として栄えた町です。江戸時代初期に完成した町割りが今もそのままに残り、当時の建物や石垣などが風情溢れる景観を見せてくれます。その歴史的景観の価値が認められ、昭和52年(1977年)、九州で最初に、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、「九州の小京都」とも称され、多くの観光客が訪れる観光地でもあります。

 

 

まず訪れたのは古い屋敷を復元改修したお食事処「武家屋敷 伊東邸

こちらは相当傷みの激しい状態であった屋敷ということで、リノベーションを越えてほぼ新築に近い状態とのこと。ただ、できるだけ歴史のかけらや伝統的な様式を感じられるよう鴨居の高さは昔のままに、以前に茅葺き屋根だった様子が伝わるように、天井は張らず屋根の下地がすべて見えるようにと創意されています。

 

ここで九州部会メンバーとも合流して、総数15名となります。お馴染みのメンバーでほっこりしますね^^

 

 

そして、伊東邸復元改修も含めた今回の旅のアテンド事例の殆どを担い、その実力で近年のリノベーションオブザイヤーを賑わす新進気鋭建築デザイナー〈PAAK DESIGN株式会社〉鬼束準三さんよりお話を頂きます。

飫肥の町のこと、そして町の課題、これまで仕掛けていった課題解決、そしてこれからやっていくこと。

 

【リノベーションで飫肥の課題解決】

観光を大きな収入源にしてきた飫肥ですが、コロナ以降宿泊客が減り、日帰り観光客が増えていっておりどんどん先細りの状態になってきているとのこと。

よりいまの観光ニーズに合わせるために、武家屋敷を一棟貸しスタイルの宿泊施設にリノベーション。町全体をホテルにしていくという壮大な計画が進められているとのことです。

ここには町の課題があり、リノベーションが持つ本来の力が発揮されていることを建物内でビシバシ感じます。

 

 

飫肥の町に繰り出すとすぐそこにPAAK DESIGNさんのオフィス。

やはりプロ同士はこういう所が気になるもんで、少し立ち寄らせて頂きます♪

自分達のオフィスはどこも「安くかっこよく」がテーマになると思いますが、流石の素敵な空間構成と什器☆

所狭しとオブザイヤーの盾が並んでおります。

 

 

そして、続いてはなんとなんと!これからのプロジェクト案件の工事前の状態を内覧させて頂きます。

広大な武家屋敷の敷地にポツンと立つ和洋折衷の味わい深い建物。

 

元々お医者さんのお住まいだったこの家が来年にはパン屋さんを併設した宿泊施設に産まれかわるとのことです。

 

  

 

床や壁などの表層的な内装はボロボロで見れたものでは無いのですが、なんせそもそもの設えのレベルの高さ、建具一枚一枚の重厚な作り、欄間など細部に行き渡る贅沢なのに趣味のよい空間設計。

工事前の状態を見てこんなに喜ぶ人種はリノベ屋しかいないのではないでしょうか^^

想像力豊かな変態集団は室内をなめるようにして見ていきます。

 

 

鬼束さんに室内の変更箇所や設計のポイントをご説明頂きます。

この部屋は洋風の間として、来年には宿泊できるお部屋となります。

この細かく木組みされた窓越しからの眺望がヤバく、ここに泊まれるということを想像するだけでヨダレが出てきますね~(≧◇≦)恐るべきポテンシャル!そしてここに目を向ける鬼束さんの恐るべき審美眼。

 

 

つづいてやってきたのは鉄骨の倉庫の中に所狭しと和の家具や古物が立ち並ぶ「PAAK STOCK

解体現場から引き揚げてきたそれらを並べ、月に一度一般公開して購入できるお店となっています。

 

リノベーションは解体から始まる仕事で、解体時には家財道具との格闘も待っています。

これだけのエリアですので、そこから出てくる家財の質は大阪とは段違い。

とても理にかなった住空間を未来や循環に繋げる活動でありお店になっております。

 

 

ここのお店にはサイドストーリーがあり、実はシンプルハウスで永らくストア販売(NU店店長)に従事してくれたオヤユー(その当時の姓名を合体させた愛称です^^)がなんと今ここで働いてらっしゃいます!!

コロナ渦でインスタライブをよくやっていた頃、一緒に様々な現場に行きましたね~☆

カメラ撮影をしながら、消費者目線のするどい質問を投げてくれる天の声さんだったのですが、彼女がここで働いているのはなんだかとてもしっくりいくなーと感慨深く店内を見渡しました。

ご縁ですね。世の中は広いようで行き着く所はなんか繋がっているって感じます。

今回は会えず終わりましたが、きっとまたこことの繋がりで会える日が来るはず。

 

  

 

続いても宿泊施設となります「PAAK HOTEL 犀」をご案内頂きます。

もともとの土間が和風インナーバルコニーのような違う空間に変貌、古民家の設えの中にガラスで切り取られた水廻りが浮かぶ感じ、どれも現代的な感覚とセンスが絶妙なバランスをとっています。

 

  

左の写真は現代アートが飾られる当時のままに近い床の間。右は敷居を使ったトイレ棚もふむふむな納まり♪

 

素材が素晴らしい中、残す所をどこにするのか?極力少ない手数でこの空間の風味を最大限にするために葛藤も伺えます。しかし、その判断のどこも間違わずに出来上がったこの空間って、建築だけをやっていては出来ない技だなーと深々感じます。センスとかは勿論のこと、きっと愛が必要なんでしょうねー。

 

 

続いては上級藩士の住まいをリノベーションした宿泊施設「茜さす

格調の高さを感じる門構えからの内部の設え。リラックスできるこの空間で泊ることを想像すると自然に平穏な気持ちになります。

 

 

鬼束さんが説明頂いている中、みんなそれぞれ自由に拝見させて頂きます。

設計者の意図や作り込み、優しさみたいなものは建具などの可動する所や手で触るところ、戸尻などの各部位に表れています。ですので説明をお聞きするより「視て・触って」したらだいたい解ります。そんなメンバーが揃っているので、まあみんなウロウロ^^

 

  

左は食いつきが凄かった冷蔵庫を貫通させて常時冷やせるようにしているビールサーバー!右はブラケットライトをベッドヘッドに貫通させて取付。なるほど!

 

 

午前をたっぷり使い、充実の飫肥宿泊施設のツアーでした。

ゆったり歩いて回れる飫肥の町では鯉とも戯れれます♪(テンションの上がる立花^^)

そして、昼食には伊東邸に戻っての「生マグロまぶし」ーーーー!!!

これがまたむちゃくちゃ新鮮で美味しく、たまりませんでしたね~☆

トロケました(*´Д`)

 

 

次回ブログは「いざ油津へ」

まだまだ続く鬼束さんの町リノベーションを体験させて頂きます。