WORKS
無骨とシンプルのさじ加減|88
OUTLINE
- 所在地
- 大阪府
- 築年数
- 37年
- 面積
- 71㎡
- 工事費
- 905万円
- 工期
- 60日
※工事費・価格は施工当時の価格となります
DESCRIPTION
ここは、川のそばの素敵なマンション。手に入れるまでの経緯が、なかなかで。Kさん夫妻は「子育てにいい環境」を優先し、大阪市内の西区、北区、天王寺区で探すも、なかなかの人気エリア。物件はなかなか出ないし、いいなあと思うと高い。だんだん、物件探しに疲れてきます。そんな時、自宅のポストインチラシをマメにメールしてくれる会社の方から送られてきたチラシが、この物件。「実は、前から気になる物件だったけれど、あきがなかったんです」。
すごい出会いですね、もちろん、即決です。
デザイナーのおふたりのキーワードは、「シンプル」「無骨」「やりすぎず」。キッチンはモルタルで仕上げ、床に使った幅広オークは、節が多めのユニークさ。あとは色や質感のバランスをイメージしながら、塗装、剥き出し、クロスの分量を決めていきます。これが、絶妙。大きくて邪魔だと思っていた梁は、剥き出しにすることで真っ白な空間にそのカタチが際立ち、チャームポイントになりました。対角線上にあるクロゼットと子供室は、両方とも角をナナメにカットすることで、洗練された印象です。
65インチのテレビありきのリビングは、かなりの攻防戦。「壁は絶対塗装にしたい」「配線があるのでそこだけ壁をつけますか?」「むしろその配線がカッコイイと思えるデザインお願いします」という難易度の高いリクエストも、スチール管に配線を通してすっきり。こだわりと工夫とおさまりのガチ勝負です。
でもだからこそ。「自分たちのうちだけど、すごくいいよね」。
「提案に乗って頂けるかどうか」、意外とこれがリノベ成功の分かれ目だと感じるのですが、
こちらのお施主様は強いこだわりの中にも、我々からの提案(洗面の配管やパーテーション等)を受け入れる柔軟性も兼ね備えておられて、「そりゃ成功するわ」という感じでございます。
キッチン収納に組み込んでいるのはMUJIの家具なのですが、このテイストにも合うMUJIの家具の懐の深さに凄みを感じます。