
WORKS
ピクチャーフレーム|93
OUTLINE
- 所在地
- 兵庫県
- 築年数
- 32年
- 面積
- 80㎡
- 工事費
- 786万円
- 工期
- 38日

※工事費・価格は施工当時の価格となります

DESCRIPTION
「壁構造」のマンションは、あまり間取りを変えることができません。でも、どうしても邪魔になる柱や梁のない、シカクイハコなので、「無機質×シンプルが好き」というIさんにはぴったりでした。
「壁構造」特有の分厚い壁をデザインすると、空間に深みが生まれます。Iさんのおうちは、LDKと子供部屋の間に、分厚い壁のトンネルをつくりました。実はこの壁、体力壁+子供部屋の収納。分厚い壁を、さらに分厚く。そこに、木枠をあしらい、デザインのギアをあげます。子供部屋からのぞくと、フレーミングされたLDKのスペシャル感、すごいです。
シンプルを極めるため、仕上げや見せ方にもこだわります。圧迫感のあった天井は取り払い、キレイ目なモルタル仕上げ。もともと左官仕上げの少し黄色がかった塗り壁も、その上からライトグレーに塗装し直し、グレーのグラデーションをつくりました。床はオークの表情がわかるくらい薄く白く、淡いトーンでまとめます。シナベニアのテレビボードは、モルタルとのバランスを大切に、繊細にデザイン。Iさんのアイデアで、手がかりの上に黒のラインをスーっと入れて。直線のラインが強調されて、とても美しいです。
独立型の壁付けキッチンは、狭くて冷蔵庫を置くと窮屈なので、L字型にするアイデアで、冷蔵庫スペースを確保。食器や家電を置く棚もリビングと同じシナベニアで、「玄関から見たデザイン」にこだわりました。棚の両側がLDKとゆるやかにつながる、壁厚の開口部もいい感じです。
「壁構造って、正直どうかな?と思いましたが、厚みのある空間を提案していただいたおかげで、自分のビジョン+αな仕上がり。玄関を入ると、キッチン、リビングとシナベニアで目線がつながる感じも、気に入っています」とご主人。「キッチンの大きな開口部のおかげで、風とおりもよく、キッチン→ダイニングも使いやすいです」と奥さまもニッコリ。
STAFF
扉や壁の色など全体的にグレーがかった塗装色で、はじめてのインテリアテイストでした。
いつもお世話になっているインテリアのカタログなどの撮影のお仕事をされているI様。撮影秘話もお聞きできて楽しいお打合せでした!

グレーの天井、ライトグレーの壁、オークの表情がうっすらわかる白塗装を施した床、シナベニアのテレビボード、どれも淡い色彩で相性がいい。「工事中にテレビボードが欲しいとお願いして作ってもらいました。右側はデスクとして座って作業ができるように高さを調整。シナベニアの配分を考慮し、下側だけ収納に。天板と扉の間にある黒のラインがポイントです」

玄関から入ると目に飛び込んでくるキッチンの棚は、テレビボードや靴箱と同じシナベニアで、デザインやサイズ感にこだわった。グレーの扉もかわいい

廊下からキッチン、LDKをのぞむ。扉はつけずに開口部にすることで、キッチンの棚もLDKと一体化してデザイン

LDKからキッチンを見る。こちらも、扉なしでL字型のキッチンとLDKをゆるやかにつないだ

キッチンの床はモルタル仕上げ。真っ白なタイルやシナベニアがよく映える。もともと狭くて冷蔵庫も置けなかった壁付けキッチンを、L字型にすることで、作業効率アップ。冷蔵庫もキッチン横にスッポリ。既製品のキッチンは扉面だけシナベニアに変更することで、家電などを収納する棚ともコーディネート。見せる、隠すが絶妙の棚、黒いラインがきいてる

シナベニアでつくった玄関の靴箱も、フロートタイプで黒のラインでキリリ。右上のシカクは分電盤でフタで目隠し。マグネットで取り外しできるよう工夫したのも、Iさんのこだわり

LDKと子供部屋との間はトンネルのような壁厚。実は、壁+収納でこのサイズ感、収納は子供部屋から出し入れできるようになっている。商業施設などで見られる木枠を使うことで、壁厚のデザインを際立たせた。扉は両開きの引戸。ゆくゆくは2スペース使えるよう、有孔ボードと収納も2つ。フックが大活躍

洗面のタイルはIさんご支給品で、真鍮の見切りをつけて、上質な感じに。洗面台はモルタル×シナベニアで造作した
リノベしにくいイメージの壁構造マンションですが、その特徴を理解し生かすことで、壁構造でしかできないことが実現します。
当たり前のように目にする柱・梁も、無いとこんなにすっきり見えるんですね~。
凛っとしたインテリアがお好みな方は、あえて壁構造の物件を選ぶのも有だと思います。間取りは変更しにくいですが。
お施主様は抜群にセンスの良い方ですが、一方で人の話を聞き入れる耳も持っており、こちらの提案も柔軟に受け入れてくれました。
リノベーションは、お客様と我々との共同プロジェクトであり、それを理解して頂くこと自体が、一つの成功の秘訣なのかもしれません。