WORKS
脇役素材の存在感|103
OUTLINE
- 所在地
- 兵庫県
- 築年数
- 24年
- 面積
- 72㎡
- 工事費
- 1070万円
- 工期
- 60日
※工事費・価格は施工当時の価格となります
DESCRIPTION
白、グレー、ベージュ。色のバランスが絶妙ですね。ハコのようなキッチンの素材、実は下地材のラワンべニア。普段は隠れている素材が、主役にどーん。たくさんのラワンの中からキレイなものだけを選び、仕上げました。漆喰はリビングの壁だけ、間接照明で浮かび上がると素敵です。LDKとWICの間にある間仕切り壁ですが、めり込んだテレビに、めり込んだテレビボード、枠のないガラスの灯り窓も、ビューポイントです。「かわいくない感じがいいですね」とSさん。
共働きのSさん夫婦は、「使いやすさ」を大切に。子供が勉強したり、ご飯を食べたり、お絵描きしたり、ちょっと仕事をしたり。みんなの作業スペースにしたいから、ダイニングテーブルは大きく。「さっと片付けられる家」にしたいから、キッチンからまわり込む対面なんてもってのほか。ダイニングからキッチンは一直線動線、シンクとコンロが別々になった二型キッチンは、振り向くだけで、歩数も少なく、とても便利。冷蔵庫とパントリーにも注目して欲しいのですが、冷蔵庫はあえて壁をつくってすっぽり。その向かいに配置したパントリーは、扉はないけどリビングからは見えません。この「見えない工夫」は他にもあり、例えば廊下にクランクをつくることで、LDKにドアをつけず、視線を遮る。収納を窓際に配置して、視線を外す。かなり、上級者テクです。
モノがアドレスにおさまるきちんと感、配色に気を配ったすっきり感、モノから視線を外すテクニック、使えるものは使うコスト感、難しい施工のおさまり感。「動きやすく、片づけやすい家ですね。枝ものや花を飾りたくなっちゃいます」。
STAFF
壁下地用に大量に用意されたラワン材の中からS様のイメージに合う数枚をセレクト、大工さんが細部まで丁寧に仕上げて下さり、塗装をして仕上げ材へと生まれ変わります。ラワン材って結構色の差があるんです。
私たちと同じ、住宅に携わるお仕事をされているS様、全体のイメージはもちろん、細部のおさまりまで一緒にベストを試行錯誤し、まさにS様と一緒に作り上げた共同プロジェクトでした。
枠無しガラス引き戸や薄型TVを更に薄く見せる仕掛け、リビングの照明は間接照明のみ、など色々チャレンジさせて頂き、すっきりとしたS様らしいメリハリのきいた空間となりました。
漆喰の塗り方は一番拘りました!
職方の力加減によって表情が全く異なりますので、S様がイメージされたそのものを共有する事、施工当日にお立会い頂けたことで、完成がよりS様のイメージに近づけたのではないかと思っています。
仕上がっていく工程を見ながら、S様と職方と「良いですね~^^」っとうれしさを共有出来たことを思い出します。
照明計画や、ガラスの納まり等の「スマート」な部分と、
杉のフローリングやキッチンカウンターの納まり等の「ほっこり」な部分がうまく交わって
気取らずオシャレなS様らしいお住まいが完成しました。
場を分ける意味でも「意義ある段差」は、バリアフリーと逆行はすれど、空間の質を上げていると感じます。