WORKS
集約と分散│140
OUTLINE
- 所在地
- 大阪府
- 築年数
- 33年
- 面積
- 63㎡
- 工事費
- 1150万円
- 工期
- 73日
※工事費・価格は施工当時の価格となります
DESCRIPTION
Sさんのリノベーションには歴史があります。「2007年だったかな。無印良品の本に触発されて、スケルトン・インフィルをやりたいなあと漠然と思っていました」。当時はまだ、リノベーションという言葉が出始めた頃です。雑誌で「これもいいな」「あんなことしたい」と思い続けて10年以上。関西定住の目処がついた2019年頃、ママの実家近くに物件も決まり、ついにリノベーションです。「新しい家では猫を飼いたいけど、トイレはどうしようかな」「人が来たときに洗面室で手を洗ってもらうの抵抗あるな」→洗面台は廊下に出してその下に猫のトレイを置こう、「SOHOが欲しいな」→寝室の収納スペースをSOHOにしよう、と自分のライフスタイルに照らし合わせて、住まいを構築していきます。今回のリノベの天王山は、「無印良品は卒業したい」パパVS「モノは大切に使いたい」ママ。シンプル・イズ・ベストのパパは長らく無印良品を愛用していましたが、今回のリノベーションに合わせて収納を造作し、大きな収納棚は破棄したいと考えていました。一方ママは、使えるものは使いたい。激しい攻防戦の結果、「収納を分解して置けばいいんじゃない?」と、いう結論に辿り着きます。そして、子ども部屋とリビングにそれぞれ置いてみると、意外とおさまりがいい。無印の食器棚は、天板をプラスすることで造作した飾り棚とコーディネート。思い入れのある祖母のタンスは、WICと寝室とLDKへ。LDKではタンスがうまく馴染むよう、造作棚を設計しました。この造作棚、本棚とデスクとTVボードを兼ねているのですが、壁面に沿ってL字型に増殖する感じがそそられます。そして、たくさんある本。SOHOや廊下など家のあちこちに小さな本棚を造作し、その大きさに合わせて本を分類する分散型を採用しました。バラバラと置かれたものをまとめて収納するのがリノベーションの鉄則、気持ちよく裏切られました。「結果、よくまとまったなあと。シンプルなデザインで、素材の温かみが感じられる雰囲気が、僕の大好きなシャルロット・ペリアン(フランスの建築家)的で気に入っています」とパパ。「大切なモノたちが、カタチを変えてイキイキしてます」とママもうれしそう。リノベーションを機会に、皆さんも家族の思い、ぶつけてみませんか?
STAFF
おしゃれな空間に住まわれる方は分譲であろうが賃貸であろうが、お手持ちのものでちゃんと自分好みの素敵な空間にしてしまう。S様の以前のお住まい(賃貸)に伺った際に感じた事。そして今回、設計から自分好みに作っていかれた訳ですが、空間はシンプルに留め、お手持ちのインテリアで更にS様らしい素敵な空間に。僕らが目指していることであり、こうあるのが私達シンプルハウスだと再認識させて頂けました。
初めてお家に伺った際、本棚に溢れるたくさんの建築・インテリアの本を見てわくわくしたのを覚えています。奥様こだわりのチークの無垢フローリングに合わせて、天板やデスクなどの木部には”赤タモ”の集成材を採用。着色はせず、本来の色味を際立たせる塗装にすることで、自然素材の暖かみを感じられる空間にしました。照明の使い方からも、S様のインテリアセンスの良さが伝わってきます。