WORKS
変形地は置き家具ではなく、むしろ造作家具|147
OUTLINE
- 所在地
- 大阪府
- 築年数
- 約30年
- 面積
- 95㎡
- 工事費
- 1578万円
- 工期
- 82日
※工事費・価格は施工当時の価格となります
DESCRIPTION
狭小の変形地に建てられた4階建てのおうちは、築37年のママの実家で、住んで10年になります。「最初は長く住むつもりではなかったのですが、小学校に通う子供にとってはすでに地元。新しい場所に引っ越すより、メンテナンスをして住み続けることにしました」。37年もたつとママが小さかった頃とは環境が激変。近くで再開発も進み、このあたりは人気エリアとして発展して、商店街に近いTさんのおうちの前は、人通りがすごい!「視線が気になって、カーテンはおろしっぱなしです」。もうひとつの大きな課題が、変形地。「敷地に合わせた建物なので、四角い家具を置くと、無限に三角形のデッドスペースができるんです」。独特なお悩みですね。また、昔の家なので底冷えや結露、設備の老朽化もありますし、兄妹に自分の部屋を作ってあげたい。課題は山積みでした。そこで、周囲の視線と底冷え対策です。ALCの壁は厚身があり断熱性能が高いため、大きな窓が底冷えの原因でもあり、通る人々の視線が気になるポイントでもあります。そこで、窓を横長の小さな窓に刷新し、人の視線と熱の出入りをカット。閉じた窓部分に断熱材を入れ、外観は格子を現場で組んで、コスト削減に配慮します。そして、変形地。これは、置くとデッドスペースができる(変形地に弱い)家具を思い切って廃棄し、家のカタチに沿って、アイランドカウンターからカクンと曲がるダイニングテーブル、キッチン、収納棚、子ども部屋のデスクなど、すべてを造作する工夫で、三角形にフィットした住まいが完成しました。造作家具、変形地でそのポテンシャルを遺憾なく発揮しています。諸事情で天井を抜けなかった分、階段の壁を取り払うことで、2階LDKに広がりが生まれました。あちこち移動が必要だった洗濯動線も、コンパクトにまとめました。「同じ家で同じ人が住んでいるのに、こんなに使いやすく変わるものかと本当に驚いています」。長く住んでいた家だからこそ、感動もひとしおです。