WORKS
木彫り作家の空中工房|153
OUTLINE
- 所在地
- 大阪府
- 築年数
- 40年
- 面積
- 86.06㎡
- 工事費
- 980万円
- 工期
- 60日
※工事費・価格は施工当時の価格となります
DESCRIPTION
「工房を作りたい、本物の素材に触れていたい」本業のかたわら、木彫り作家として日々作品の制作にいそしむA様には、そんな願いがありました。もともとはイラストレーターのお仕事をされていたA様、転職されてからも「物づくり」への愛は止まりません。そんなA様にある日転機が訪れます。子育てがひと段落した頃、ある木彫り作家さんと出会い、感銘を受けます。そして「木彫り+イラスト」というA様の制作スタイルが始まり、今では海外の展覧会に招待されるまでに。お仕事、制作活動、暮らし、ごまかしのない「本物」を追求するのがA様の生き方です。
制作には道具の置き場所に加え、広々とした作業スペースが必要になってきます。リノベーションの前は寝室が作業スペースとなっており、活動と休息を同じ場で行わざるをえませんでした。
いざ、リノベーション相談へ。向かった先は以前から認知していたシンプルハウス。そこで目にしたショールームのアルミ製の窓枠にひとめぼれします。これを作った弊社の大畑に興味を抱き、大畑が描いたA様邸のリノベーションのラフスケッチの「タッチ」を見て、物づくりの魂が共鳴。「この線を描く人は本物だ。工房の要をゆだねたい。」そう思える出会いでした。
もともとあったロフトスペースを工房へ。ロフトは使い手に難がありお子さんの部屋を通らねばなりませんでした。ロフト内部もダクトの通り道が障害物となっており、居室には使いづらい空間でした。リノベーションで動線を変え入りやすく。あえてロフトスペースを縮小、ダクトを隠すように棚や作業デスクを造作、眼下にLDKを見下ろせる大きな窓を設けました。もくもくと作業して、ふと顔を上げると、ペランダ越しに外の景色を見通せる開放感があります。A様が作品を制作する以外にも、お子さんたちが勉強をしたり、ギターを弾いたり、読書をしたり、みんながしたいことに没頭できる空間となりました。
リノベ後のA様にはこんな変化も。「少し早起きして朝を楽しむようになりました。丁寧に朝ごはんの準備をして、身支度を整え、犬の散歩では朝の空気を感じ、景色を眺めます。この家に住むなら、こんな暮らしがしたいと思い、自然に実践しています。本物の素材に触れているのからなのか、気持ちが整い健康的になりました。」
お仕事に、制作活動に、暮らしに、すべてにひたむきに。凛とした気持ちで今日も未来に向かって一歩を踏み出します。